「手法の見える化」「プロセス改革」「新しい絞り成形法」・プレス金型の未来を考える・・エムズ株式会社

m's special 2010 spring

■ ”CATIA”によるプレス金型設計 業務適用に向けて

 設計は、単に形を作成することではなく、後工程の”ものづくりの情報源”を作成する作業です。また、プレス金型設計は、機能(部品や構造)のレイアウトと、その機能を具現化するための座面や空間を充たす鋳物本体の作成が、主な作業です。
 この作業は、設計者の思考パターンに沿った設計手順で行うことが、重要となるわけですが、3次元システムによるプレス金型設計においては、設計の”データの構造”が、作業手順や方法に大きな影響を及ぼします。”データ構造”を確定することは、大半の作業内容が確定したことと同じと言っても過言ではありません。

 本号では、”CATIA + Dynavista”のシステム性能を理解し、冒頭事項を念頭において、どの様な”データ構造”が導かれたかご紹介します。

※立体の作成や、詳細部の作りこみ操作については、操作解説書にその任を預けます。

(画像:CATIAによるプレス金型設計モデル全体像)

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■ 設計手順とシステムの性能

 ◆ プレス金型設計手順の概要
  1.設計要件、ターゲットの準備(製品や設備などのモデル)
  2.機能設計
   -刃物や詳細部構造の作成と配置
   -標準部品の選択と配置
  3.本体設計
   -本体構造部の作成
   -ターゲットモデルとの演算
   -標準部品の付加立体(座面や空間)との演算

 ◆ システムの操作性能の検証事項
  - 表示操作(設計成果の視認性)
  - 形状作成操作
  - パラメトリック形状変形操作
  - アセンブリ(配置)操作
  - アセンブリ(配置)拘束操作
  - リレーション(関係)操作
  - 標準部品のファミリーテーブル展開操作(標準部品のデータベース化再利用のため機能)
  - ブーリアン(演算)操作(機能設計を本体設計へスムーズに反映させるための機能)

上記の要件より、模索したデータ構造を次に示します。

■ データ構造

ROOT(プロダクト)
 + 1.主構造A(プロダクト)
 |  + 2.本体(プロダクト)
 |  |  + 3.共通(パーツ)
 |  |  + 3.本体(パーツ)←下型や上型など金型の主構造となる立体
 |  |  + 3.和群(パーツ)←部品パーツ内の和(ボディ)を集約
 |  |  + 3.差群(パーツ)←部品パーツ内の差(ボディ)を集約
 |  |
 |  + 2.部品群(プロダクト)
 |  |  + 3.共通(パーツ)
 |  |  + 3.部品A(プロダクト)←複数の子部品で構成する部品
 |  |  |   +4.子部品A(パーツ)
 |  |  |   +4.子部品B(パーツ)
 |  |  |   +4.・・・・
 |  |  |
 |  |  + 3.部品B(プロダクト)
 |  |  + 3.・・・・
 |  |  + 
 |  |  + 3.部品A(パーツ)
 |  |  |   +4.部品本体(ボディ)←部品の本体立体
 |  |  |   +4.和A(ボディ)←部品を設置するための座やボス
 |  |  |   +4.和B(ボディ)
 |  |  |   +4.・・・・
 |  |  |   |
 |  |  |   +4.差A(ボディ)←部品を設置するための空間や穴
 |  |  |   +4.差B(ボディ)
 |  |  |   +4.・・・・
 |  |  |   |
 |  |  |   +4.設計テーブル
 |  |  |
 |  |  + 3.部品B(パーツ)
 |  |  + 3.・・・・
 |  |  +
 |  |  + 3.配置拘束
 |  |
 |  + 2.アセンブリフィーチャ←本体と和群、差群の演算
 |
 + 1.主構造B(プロダクト)
 |  + 2.本体(プロダクト)
 |  + 2.部品群(プロダクト)
 |
 + 1.主構造C(プロダクト)
 + 1.・・・・
 |
 + 1.ターゲット(プロダクト)
 |  + 2.製品線面(パーツ)
 |  + 2.カットモデルA(パーツ)←ダイフェースや裏肉面など
 |  + 2.カットモデルB(パーツ)
 |  + 2.・・・・
 |  + 2.プロファイルA(パーツ)←素材外郭線やトリムラインなど
 |  + 2.プロファイルB(パーツ)
 |  + 2.・・・・
 |
 + 1.設備(プロダクト)
 |  + 2.下型用(プロダクト)
 |     + 3.ベッドモデル(パーツ)
 |     + 3.評価(パーツ)←干渉曲線など
 |     + 3.・・・・
 |  + 2.上型用(プロダクト)
 |     + 3.ラムモデル(パーツ)
 |     + 3.評価(パーツ)
 |     + 3.・・・・
 |  + 2.・・・・
END

※プロダクトは、CATProduct/パーツは、CATPart/ボディは、立体
※各パーツ内の形状セットとスケッチは省略
※刃物などは、部品プロダクトと同レベル

■ データ構造の概要

◆ 主構造プロダクトについて
  + 本体プロダクト
  + 部品群プロダクト
 で構成する。

(画像:本体モデルとパーツモデル群)

◆ 本体プロダクトについて
  + 共通パーツ
  + 本体パーツ
  + 和群パーツ
  + 差群パーツ
 で構成する。

 ・本体パーツ内の本体立体ボディは、スケッチベースで作成する。
 ・このスケッチは、共通パーツ内のスケッチ寸法と関係付けする。
 ・和群パーツは、部品パーツからパブリッシュした和群立体を集約したものである。
 ・差群パーツは、部品パーツからパブリッシュした差群立体を集約したものである。
 ・本体立体ボディは、この和群パーツと差群パーツで、演算され最終完成形となる。

(画像:本体モデルと和群&差群パーツモデル)

◆ 部品群プロダクトについて
  + 共通パーツ
  + 複数の部品パーツ
  + 複数の子部品構成のプロダクト
 で構成する。

 ・部品パーツは、共通パーツ内の基準平面と拘束配置する。

◆ 部品パーツについて
  + 部品立体ボディ
  + 複数の和立体ボディ
  + 複数の差立体ボディ
  + 設計テーブル
 で構成する。

 ・部品パーツは、設計テーブルにより形状、大きさ、購入コードなど、ファミリー展開される。
 ・和用、または、差用ボディはパブリッシュを行い、本体プロダクト下位の和群パーツ、または、差群パーツ内のボディへ集約(アセンブル)する。

(画像:部品本体モデルとその和&差立体モデル)

◆ 共通パーツについて
  + スケッチ
  + スケッチ寸法で駆動する基準平面群
 で構成する。

 ・構造内で、共通に使用したいパラメータを格納するためのパーツ。
 ・ダイハイト、基準高さ、主構造間を跨ぐ構造や部品(ガイドポストブッシュ)の高さや
  位置関係をパラメータ化し、構造の整合性を保持させる。

□ ”CATIA”によるプレス金型設計 評価

◆ 設計工数
スクラッチ設計(一からの設計)の場合、CADCEUS(CADMEISER)と比較して、3〜5割UPと言ったところです。中でも、配置や形状作成などの実設計操作ではなく”手続きに関する操作”で労費する工数の多さが大変気になります。これは、設計者にとって本当に煩わしいことです。

◆ 流用設計
CATIAには、様々な有用な機能が実装され、期待できるのも事実です。次回は、これらの機能を利用したアダプティブ設計(流用設計)において、検証を実施します。
内容は、本ページ上で公開する予定です。ご期待ください。

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