「手法の見える化」「プロセス改革」「新しい絞り成形法」・プレス金型の未来を考える・・エムズ株式会社

m's special 2013 spring

自動車パネルの高品質化へ向けて新たな可能性・・拡張絞り成形/エクスドローフォーミング

◇ エムズスペシャル 2013 春号 ”絞り成形の常識を破る!” ◇  <本ページ印刷用PDF><配布用PDF>

◆ 絞り成形法−その制約


◇ 絞り成形法の常識 ◇
 絞り成形法の常識とは、”絞り深さ不変の法則”です。
絞り成形の完了は、ダイの下降停止です。ダイの下降が停止するまで、挟持部(バインダー/ブランクホルダ)も余儀なく下降することになります。成形途中で挟持部の下降停止は絶対に許されません。
「絞り深さ不変の法則 ”A=B”」
A:絞り深さ/B:挟持部下降量


絞り成形法の常識「絞り深さ不変の法則
◇ 絞り成形法の常識「絞り深さ不変の法則”A=B”」 ◇

 上記の内容は、全く当たり前の”絞り成形の常識”です。しかし、成形条件の視点から見ると、

”A”は、凹部成形のタイミングパラメータ
”B”は、ワーク伸張量のパラメータ

となり、”A”と”B”は、全く性格の違う成形条件パラメータです。個別に設定できれば、より最適な成形条件を導くことが可能となりますが、絞り成形法の常識から、”A≠B”などとは、考えることすら許されないことでした。

◆ 新しい絞り成形法−絞り深さ


◇ 新しい絞り成形法の絞り深さの特徴 ◇
 既存の絞り成形法では、拡張エリア(余肉面)の大きさと比例関係にある拡張方向は、拡張エリアの現実的な大きさにより制限がありました。しかし、拡張エリアを持たない新しい絞り成形法の拡張方向は、最適な成形条件により自由に設定することが可能です。
拡張方向によっては絞り深さが、非常に”浅く”なるケースがあります。この”浅い”絞り深さが、成形ネックとなる場合、絞り深さの調整、すなわち”A”の値を大きくする必要があります。

新しい絞り成形法/極端に浅い絞り深さ
◇ 新しい絞り成形法/極端に浅い絞り深さ ◇

◇ 絞り深さ”A”を大きくするには ◇
既存の絞り成形法と同様、拡張エリアを付加し、絞り深さを確保する・・・

これはいけません。
材料歩留りの観点から避けるべき手法です。

新しい絞り成形法/拡張エリアを付加した場合
◇ 新しい絞り成形法/拡張エリアを付加した場合 ◇

◆ 新しい絞り成形法−成形深さ制御機能のしくみ


◇ 新しい絞り成形法のAとB/高さ関係 ◇
 新しい絞り成形法は、絞り成形の常識である ”A=B” である必要はありません。
 ”A”、”B”各々のパラメータを個別に設定出来るので、材料歩留りを損失することなく、より柔軟に、”ワーク伸張と凹部成形性”の双方を向上させる最適な成形条件へ導くことが可能となります。

新しい絞り成形法/絞り深さ不変の法則を破る”A>B”
◇ 新しい絞り成形法/絞り深さ不変の法則を破る”A>B” ◇

◇ 新しい絞り成形法の成形深さ制御のしくみ ◇
 新しい絞り成形法の成形プロセスは、ワークをパンチへ押し付けた後、拡張方向へ転移します。
この成形中に、以下の2つの構造変移により、”成形深さ制御”を実現させています。

■ バインダー上昇拡張機能のしくみ
 上挟持構造部(上バインダー)は傾斜上昇移動するように、設置させています。これにより、”ダイの下降量A>バインダーの下降量B”となり、A=B+アルファーとなります。
バインダー上昇拡張機能構造
◇ 成形深さ制御機能/バインダー上昇拡張機能構造図 ◇

■ バインダー水平拡張機能のしくみ
 成形中、バインダー下降を強制停止させた場合、既存の絞り成形法では、ダイの下降も停止し、成形パネルは未完成品となりますが、新しい絞り成形法は、その型構造により、ダイは停止せず、所定の位置まで下降します。この場合、挟持構造部(バインダー)は、傾斜下降から水平変移へ転じます。これにより、A=B+アルファーとなります。
バインダー水平拡張機能構造
◇ 成形深さ制御機能/バインダー水平拡張機能構造図 ◇

これらが新しい絞り成形法のプレスモーションに秘められた”成形深さ制御機能”の全貌です。
“ワーク拡張と凹部成形性”の双方の向上を適用するための柔軟な有効機能を、
無理なくシンプルな形で実装しています。

◆ 未知なる領域/自動車パネルの”高品質化”に向けて


◇ 新領域への招待状 ◇
 リング状の一体バインダーで素材を挟持し、成形面へ押付け、所定の成形品を産出するプレス絞り成形法は、100年以上も、その根本的な姿を変えていない完成された成形法です。しかし、この成形法で産出する成果物の限界も見えて来ました。

 本事例は、実現可能な次世代成形法の一例ですが、”サッシュレスドアアウタパネル”への適用域を超えていません。しかし、この新しい絞り成形法を”モノ”にした先には、”フード、トランク、ルーフ”を経て”フェンダー”へ、そして終着点の”サイドアウター”の現状の暗雲を断ち切る”新たな成形制御の手掛かり”が待ち受けていると予感します。

 エッジシェイプとネガシェイプの大型化、スケルやギルシェイプなどの未知なるデザインの到来。カーデザインの新領域へ向け、ダイレクトストレッチドローなる本成形法が、次世代プレス成形法として広く適用されることを願っています。

※イメージクリックで拡大します※

New draw forming method for quality improvement of the automobile panels.
新しい絞り成形法 プレスモーション
◇ 新しい絞り成形法 自動車パネルの”高品質化”に向けて ◇

拡張絞り(X-draw/exdraw forming)成形法は、自動車パネルの高品質化へ向けて、既存の成形法では両立しない“ワーク伸び”と“凹部成形性”の双方の向上を図る「新しい絞り成形法」です。

◆ 新しい絞り成形法 資料

電子配布資料 > 配布用PDF
公開資料 > (特開2013-56367)
新しい絞り成形法 拡張絞り(X-draw/exdraw forming)成形法の 概要紹介